期日:10/11~10/13
会場:小田原フラワーガーデン
共催:小田原フラワーガーデン・パートナーズ、小田原シダ研究グループ
10月11~13日、小田原フラワーガーデンにて小田原シダ研究グループ、小田原フラワーガーデン・パートナーズ共催の「第17回 羊歯 植物鉢植展」が開催されました。今年のテーマは「伊豆・西湘地域に見られる暖地性のシダ類」でした。
地球温暖化が言われ、最近では気象の変化も今までにないものとなっています。そんな中で自然界における植物の生活も顕著に現れてきています。胞子で増えるシダ植物は生育環境が整えばどこでも生育可能となります。伊豆や西湘地域におけるシダの分布状況も大きく変化しており、今までに見られなかったシダや、わずかにしか生育しなかったシダの生育が確実に広まっています。
展示の一部を紹介します。
シロヤマシダ(メシダ科)
伊豆半島では広く分布していたが、今はシカの食害であまり見られない。
西湘地域では箱根外輪山山麓の杉林に点々と見られ、時に大群落を作っている。
胞子のう群は葉の中肋と辺の中間につく。和名は鹿児島市城山に由来。
西湘地域では箱根外輪山山麓の杉林に点々と見られ、時に大群落を作っている。
胞子のう群は葉の中肋と辺の中間につく。和名は鹿児島市城山に由来。
コクモウクジャク(メシダ科)
伊豆ではあまり見られなくなり、小田原市久野、南足柄の杉林に群生する。
胞子のう群は中間性、葉柄基部の鱗片は黒色で光沢がある。
和名の黒毛は根茎や葉柄基部に密につく鱗片に由来。
胞子のう群は中間性、葉柄基部の鱗片は黒色で光沢がある。
和名の黒毛は根茎や葉柄基部に密につく鱗片に由来。
オドリコカグマ(コバノイシカグマ科)
イシカグマに似るが、本種の胞子のう群は辺縁よりやや内側につく特徴がある。
日本固有種。和名は最初の発見地伊豆半島から川端康成の『伊豆の踊子』を連想したもの。
イヌケホシダ(ヒメシダ科)
熱帯に分布。温室でよく見かけるシダだったが、逸出したものが広がっている。
小田原市内の空き地や畑の石垣、鉄道の線路などで見られる。
小田原市内の空き地や畑の石垣、鉄道の線路などで見られる。
モエジマシダ(イノモトソウ科)
世界の熱帯、亜熱帯に生育。和歌山・愛媛・九州・沖縄に分布。
伊豆半島にはなく、小田原市飯泉、鬼柳、今年になって早川駅にも生育している。
和名は鹿児島県桜島北東の燃島(新島)に由来。
伊豆半島にはなく、小田原市飯泉、鬼柳、今年になって早川駅にも生育している。
和名は鹿児島県桜島北東の燃島(新島)に由来。
ケホシダ(ヒメシダ科)
伊豆諸島、伊豆半島以西に分布だが、真鶴半島にも生育。
真鶴半島にかつてあった熱帯温室からの逸出の可能性がある。
ユノミネシダ
世界の熱帯・亜熱帯、伊豆諸島・伊豆半島・九州・沖縄に分布。
西伊豆の産地がよく知られる。
2009年に根府川、2016年に小田原市板橋、
真鶴半島で確認されたが清掃や除草剤などで絶滅。
和名は最初の発見地・和歌山県田辺市本宮町湯ノ峰に由来。
西伊豆の産地がよく知られる。
2009年に根府川、2016年に小田原市板橋、
真鶴半島で確認されたが清掃や除草剤などで絶滅。
和名は最初の発見地・和歌山県田辺市本宮町湯ノ峰に由来。
オオバミヤマノコギリシダ(メシダ科)
西伊豆では谷を埋めるほどの大群落がみられ、神奈川県でも出現報告されている。
西湘地域では南足柄の箱根外輪山山麓の杉林に点々と見られるようになっている。
西湘地域では南足柄の箱根外輪山山麓の杉林に点々と見られるようになっている。
ヒュウガシダ(メシダ科)
シロヤマシダ×コクモウクジャク。
紀伊半島、九州に分布。
西湘地域では極珍しいが、2016年に伊藤晃逸氏が小田原市沼代で発見。
紀伊半島、九州に分布。
西湘地域では極珍しいが、2016年に伊藤晃逸氏が小田原市沼代で発見。
記・はしば

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