2024年 喜宝園 二人展


喜宝園 二人展 2024年11月15日〜17日 喜宝園展示場

 2013年11月、第1回「諸星フミ創作寄せ植え展」が教室生はじめ多くの喜宝園ファンの後押しにより開催されました。2017年からはご主人利夫氏との二人展として一歩一歩歴史を刻み続けています。

開催はいつも晩秋の11月半ば。山野草で表現される季節感は、この頃が極致なのだと思い至ったのだそうです。リンドウや野菊はまだまだ健在、加えて紅葉、さらには葉を落とし初冬の風情まで。豊かな山野の風景が盆上から伝えられたなら。

 自然の味わい、持ち込みの古さにこだわる諸星夫妻 熟練の作品をご覧ください。


※2025年「喜宝園 二人展」は11月14日(金)〜16日(日)の開催です


ワレモコウ 立性キシュウオギ 金華山ススキ ヒメアブラススキ リンドウ カワラナデシコ ニガナ 108㎝ 鉢・三代兼吉
春はニガナの黄色が季節感を盛り上げる作品。カワラナデシコが咲き継ぎ、秋はススキ、ワレモコウ、リンドウ、そして紅葉。カワラナデシコの黒ずんだ果穂さえ名脇役。長い季節を楽しめるのは多種多様な寄せ植えなればこそ

ノコンギク 立性キシュウオギ カナウツギ 34㎝ 鉢・三代兼吉
長い持ち込みを経て、作為のない自然な姿に仕上がった。目を引くのは紅葉のキシュウオギ。それにも増して、黒みを帯びたカナウツギの渋い黄葉が全体を締め、今この時の拠り所となっている

リンドウ ギボウシ 58㎝ 鉢・三代兼吉
ゆったり下垂する姿は意図したものではなく偶然の産物。日陰で管理していたところ、思いの外 伸びてしまったのだそう。それもまたよし

ノコンギク 立性キシュウオギ フウチソウ 52㎝ 鉢・三代兼吉
キシュウオギとフウチソウを、ノコンギクが仲介役を買って出たかのようにまとめあげ、一体感ある草姿に。左に斜上するひと茎は破調の美、ありきたりでない作品に昇華された


ナカガワノギク 34㎝ 鉢・三代兼吉
昨年はもう少し左右に張り出し、2025年山野草鉢植えカレンダーを飾っています。春にサボったので、来春こそはしっかり植え替える予定

トダシバ 98㎝ 鉢・三代兼吉
この作品もやはり持ち込みの良さ。まずは鉢こぼれの根茎がみどころ。渋く色づく葉色に加え、下部には枯れた色彩の葉を適度に残し、季節の移り変わりも表現。綺麗にしすぎないのもテクニックのひとつ。山野草において、もっとも気を配りたいのは季節感の表現

トダシバ クサイ 77㎝ 鉢・三代兼吉
5〜6年の鉢栽培の後、鉢から抜いてさらに5〜6年。根鉢の形がまだ残り、その点まだ若さが残る。見るべきものは、ゆったり伸びた草姿。最大の魅力は緑〜黄〜赤への微妙なグラデーション。季節の階調の豊かさ無限


コシキイトラッキョウ 16㎝ 鉢・三代兼吉
コンパクトに締まった姿。古色感あるたっぷりとした鉢が、全体を丸く穏やかに演出をして好ましい。来春は、白い花が引き立つ色彩の鉢に植え替え、イメージチェンジを図りたいそう


ヌマトラノオ オトギリソウ ワレモコウ リンドウ 62㎝ 鉢・三代兼吉
彩り豊かな季節を終えて、盆上は冬の到来。それでもヌマトラノオの朱色の茎、ワレモコウの丸み、秋色を残す飛び込みのリンドウの美花と見どころ満載。用土の盛り上がりに作品の歴史が表れ、野草盆栽の持ち込みの大切さを教えてくれる


ミソハギ ワレモコウ コガネシダ 112㎝ 鉢・三代兼吉
10年以上持ち込まれた草もの盆栽。晩秋を迎え、もはや線の表現となり、それは滅びの美学。しかし足元のコケとシダの色彩からは、旺盛な生命力が伝えられ、来春、輪廻の造形に今から期待が高まる


※2025年「喜宝園 二人展」は11月14日(金)〜16日(日)の開催です

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